
こんにちわ!管理人の真也(@IrohaReform)です。
最近の新築戸建ての外壁は、8~9割がサイディングを使用しています。
サイディングのメンテナンス・補修方法、費用、そもそもサイディングとはどのような外壁材で、どんな種類があるのかを解説します。
また、サイディングに塗装吹き付けは不要、出来ないという意見を何度か目にしましたが、完全に誤りです。
他にも、クリア色はサイディングには使用できない。
誤った情報のせいで、サイディングに外壁塗装することを躊躇しているアナタのために。
サイディングの外壁塗装について解説します。
すぐにサイディングのメンテナンス方法と費用を知りたい方はコチラ
目次
サイディングは塗装、吹き付けで経年劣化、剥がれは止めれる?

サイディングの塗装で、建物の劣化スピードを遅らせることは可能です。
外壁は基本的には、時間と共に劣化していきます。
サイディングも同じですが、サイディングの上に塗装をすることで、外壁を守るコーティングの役目となり、劣化スピードを遅らせれます。
また、塗装することで、新築のような外壁の仕上がりに見せることができます。
サイディングのメンテナンス・補修方法と費用
今のサイディングの外壁塗装
傷んだサイディングを補修して、コーキングの補修で雨仕舞して、最後に塗装で仕上げる方法です。
費用としては、おおよそ70~120万程度かかります。
塗装で、サイディングを再コーティングし直すといったイメージです。
使用する塗料によっては、10年以上の耐用年数がある材料もあります。
外壁塗装の塗料の耐用年数、費用については、コチラで詳しく解説しています。
⇒ 外壁塗装の塗料を種類、グレード別に単価、耐用年数を比較
新たな外壁材に貼替え

サイディングが傷むと、まず考える補修方法ですね。
貼替えとしては、部分的な貼替えと全体の貼替えの2種類があります。
部分的としては、傷んだサイディング1枚をそのまま貼り替えます。
費用としては、15万~40万程度で工事できます。
非常に安価で済む部分的な貼り替えですが、貼り替えた1枚だけピカピカで、逆に目立ってしまします。
もう一つのデメリットですが、サイディングの色、柄、模様などが、合うサイディングがない可能性があります。
数年ごとにサイディングの種類は、一新していっています。
何年か前に使った商品が、なくなっていて、部分的な貼替えを断念するということは、よくあります。
同じ商品がなくても大丈夫な全体の貼替えは、外壁全体工事となるために、高額な工事金額がかかります。
目安としては、200-400万程度です。
メンテナンス、補修を考えている程度で、この金額はなかなか飲み込み難い費用となっています。
また、サイディングの下地の傷み具合でも、費用が変化します。
下地はそのままの物を利用するつもりが、外壁材を解体したら、下地が再利用できるような状態でないということも、よくあるケースです。
その場合は、予定していた費用よりも多く支払わなくてはならなくなります。
新たな外壁材を重ね貼り
貼替えよりも高額になってしまいますが、サイディングの重ね貼りという工法もあります。
軽量な外壁材で、既存の外壁を覆ってしまう工法です。
費用としては、250~400万程度は考えておきましょう。
軽量で高性能な外壁材を利用するため、断熱、遮熱性能が格段にアップして、より住みやすい自宅になります。
高性能が外壁を利用するために、その分高額な工事金額となります。
細かな補修の場合は外壁塗装がオススメ
それぞれの条件、状態でも変化しますが、私のオススメは、一番お手頃な価格でできる外壁塗装です。
補修をして、塗装すれば、新築のようなキレイな仕上がりになります。
貼替えも重ね貼りも塗装も、仕上がり具合はどれも新築並みになります。
同じ仕上がりでも、費用が安価で済むので、まずは外壁塗装で検討してみましょう。
そもそもサイディングとは

サイディングとは「外壁の仕上げ材」の名称です。
コンクリート打ちっ放し、モルタル塗、木板張り、ALC(軽量気泡コンクリートの外壁材)、タイル張りなどといった外壁の仕上げがあります。
たくさんの種類の仕上げがありますが、住宅の外壁の仕上げの8割がサイディングです。
大手サイディングメーカーの紹介
有名どころのサイディングを取り扱うメーカーをいくつか紹介します。
50年以上の歴史と実績がある「ニチハ」
環境に配慮した高性能な外壁材を取り扱う「ケイミュー」
大手建材メーカーのAGCとLIXILの2社の外装事業を統合して生まれた「旭トステム」
コチラで紹介した3つのメーカーが、サイディングを扱う外壁材有名メーカーです。
サイディングの種類と特徴
サイディングにも種類があります。
窯業(ようぎょう)系サイディング、金属系サイディング、木系サイディング、樹脂系サイディングと4つの種類に分けられます。
種類 | 特徴 |
窯業系サイディング | 住宅に多く使われている種類。 レンガ調、タイル調などデザインが豊富。 |
金属系サイディング | 金属の大板を重ね合わせた外壁。 断熱性に優れている。 |
木系サイディング | 木目調で仕上げれる。 ログハウスのようなイメージ。 |
樹脂系サイディング | 耐久性に最も優れており、高価な外壁材。 しかし、デザイン・種類が少ない。 |
それぞれの特徴を解説します。
窯業(ようぎょう)系サイディングとは
原料はセメント、ガラス、粘土、石灰岩等の窯で高熱処理して、板状に形成した外壁材のことを「窯業系サイディング」と言います。
現在の住宅の7割程度が、この窯業系サイディングで外壁が仕上げられています。
レンガ調やタイル調などデザインが豊富なため、住宅サイズの建物では好きな外壁仕上げを満たしてくれる材料のため人気があります。
また、外壁材の性能としても、耐震性、防火・耐火性、耐久性などに優れた材料です。
金属系サイディング

加工、装飾された板状に形成された外壁材のことを「金属サイディング」と言います。
金属板の強みの断熱性に特化した外壁材で、またモルタルやタイル、窯業系サイディングのように劣化してもひび割れ等の恐れはありません。
金属にも種類があり、錆びにくいステンレス、軽量で加工しやすいアルミニウム合金、塗装が落ちにくい溶融亜鉛めっき、耐久性、錆に強いガルバリウム鋼板といったものがあります。
断熱性に特化していることもあり、リフォームの外壁の重ね張り等にも使用されています。
金属系サイディングの材料の大半が、ガルバリウム鋼板で作られます。
そのガルバリウム鋼板については、コチラで詳しく解説しています。
⇒ ガルバリウム鋼板の外壁は塗装しなくても大丈夫はデマ?
木系サイディング
木に塗装し、板状に形成された外壁材を「木系サイディング」と言います。
天然木を使用しているため、ログハウスのような暖かみある雰囲気を演出できます。
しかし、木を使用しているため耐火、防火性能は低くなり、地域によっては防火指定の制限にかかり、使用できないこともあります。
建物全体ではなく、部分的に使用し、アクセントを持たせるといった使い方が、最近では多いですね。
樹脂系サイディング
塩化ビニル樹脂を原料とし、板状に形成された外壁材を「樹脂系サイディング」と言います。
他の種類に比べ、耐久性、耐震性が非常に良い材料です。
また、火災、凍結、塩害など自然環境、災害にも強い材料です。
しかし、価格が高いといったことがデメリットです。
また、商品の種類が極端に少ないため、需要も少ないです。
アナタの自宅がサイディングか見極める方法

先程も言いましたが、住宅の外壁の7割が窯業系サイディングです。
この記事を読んでくれているアナタの家の外壁はどうですか?
窯業系サイディングかどうかの簡単な見極め方は、外壁材と外壁材を繋ぐ目地があるかないかでおおよそ判断できます。
窯業系サイディングは縦3030mm✕横455mmが一枚になっている製品が一般的です。
2階建ての場合、1階と2階の間に目地ができます。
目地はコーキングが充填されているか、もしくはコーキングの上に金属製の幕板をつけているかで見分けましょう。
どうしても分からない時は、業者に一度自宅を見てもらいましょう。
今後外壁塗装のリフォームを考えているけど、現状を調査して、教えて欲しい旨を伝えれば、無料で診断してくれるところはたくさんあります。
業者を紹介してほしいアナタはこちらのページを参考にしてみてください。
サイディングの外壁塗装する際の注意点4つ
4つの注意点はコチラです。
- カラーの選定
- 塗料の種類
- 塗装前に補修箇所のチェック
- 屋内に不具合がないか確認
1つずつ解説していきます。
1.クリアは使えない?色(カラー)の選定
劣化してしまっている場合は、クリアー色だと、補修部分が隠せないので、塗りつぶしのカラーになってしまいます。
クリアー色で、サイディングの模様、柄をどうしても潰したくない場合は、10年に1度ではなく、5年に1度ぐらいのペースで外壁塗装して、サイディングの劣化を極力抑えるようにしましょう。
しかし、頻繁に外壁塗装しても、どうしても地震や自然環境などの影響で、ひび割れ等が起きてしまうこともあります。
2.下塗り材で変わる?塗料の種類

窯業系サイディングは、弾性系塗料と相性が悪く、ほぼ使われることはありません。
窯業系サイディングは断熱材が入っているため、夏場などは外壁自体が高温になります。
そこに柔らかく伸び縮みする弾性系塗料を塗っていると、熱により塗膜の膨れ、割れの原因になります。
また、塗料には水性、溶剤と分けられますが、水性塗料では元々のサイディングの色、柄に負けてしまい、相性が悪いです。
元の色、柄により使えない場合もあります。
サイディングは塗装できますが、使用できない、しない方が良い種類もあると頭に入れておきましょう。
塗料には1液性と2液性があります。
2液性の中で、弾性性質を持つ硬化剤を混ぜ合わせた塗料を「弾性系塗料」と呼ばれます。
塗料の種類についてはコチラで詳しく解説しています。
⇒ 外壁塗装の塗料の種類別に特徴、単価、耐用年数を比較解説
3.塗装前に補修箇所のチェック
せっかくサイディングの外壁塗装したのに、ひびが入った状態のまま塗ってしまったり、コーキングが劣化した上から塗ってしまったりすると、非常にもったいないです。
しっかりと外壁に補修箇所がないか、念入りにチェックしましょう。
業者の見積もり時に、「ひび割れ、欠けの補修」「コーキングの打替え」といった項目を入れておくと、業者の方で全て潰してくれます。
しかし、少しでも安く抑えるために、
「目立たず、漏水に影響のないようなひび割れや欠けはそのままにしておく」
「コーキングは目で見える劣化箇所だけ打増しにする」
といったことを勧める業者もいますが、あまりオススメできません。
10年程度耐久するように外壁塗装したかったのに、5年で不具合が発生してしまった。。。といったことになりかねません。
でもなるべく安くしたいですよね。
外壁塗装工事の見積りについて、見積り時の注意点についてはコチラで解説していますので、チェックしておきましょう。
⇒ 外壁塗装の見積書例公開!見積もりを安くする術・費用テク
4.屋内に不具合がないか確認
外壁が劣化してくると、建物内での不具合が発生してきます。
サイディングの外壁の場合、確認して欲しいことがあります。
サイディングが発売されたなりの工法で、直張り工法というものがあります。
直張り工法とは、外壁の仕上げ材と下地材に隙間がなく張り付ける工法のことを言います。
直張り工法は、湿気が溜まりやすく、内部の結露、雨漏りの原因になりうる工法です。
サイディングが発売したての頃は、難点のある直張り工法が主流でした。
最近では、工法も進化して昔の直張り工法はしませんが、少し前の建物の場合、昔の直張り工法で施工された建物もあります。
屋内の雨漏りの原因が直張り工法と考えられる場合は、外壁の張替え、または重ね張りを検討したほうが良いでしょう。
外壁の最下部の土台水切りとサイディングの隙間から確認することができます。
直張り工法の場合、サイディングと外壁下地の隙間がなく、直でペタッと張っています。
通気工法といって、直張り工法の改善した工法の場合、サイディングと外壁下地の間に隙間があります。
その隙間があると、通気され、結露、雨漏りが起こりにくいのです。
間違ったサイディングの情報
サイディングという外壁材も非常に有名で出回るようになりました。
しかし、未だに間違った情報を良く目にするので、サイディングの間違った情報を何点かピックアップして解説していきます。
サイディングは塗装不要?塗装できない?

いいえ、サイディングも塗装のできる外壁材です。
サイディング自体が模様、柄の入った物が多く、塗装で仕上げているように感じないために、塗装できないのかと勘違いされています。
窯業系、金属系、木系、樹脂系と、その外壁材に適した塗料を選べば、何も問題ありません。
サイディングの外壁も、他の外壁材と同様に10年程度に1度外壁塗装をしてメンテナンスしていくという考え方で良いでしょう。
コーキングは塗装後?
基本的には、コーキングは塗装前と考えておきましょう。
必ず塗装前でないといけない訳ではありません。
塗装後にコーキングしても、雨漏りなどに関しては問題はありません。
しかし、塗装前にコーキングをしておけば、外壁と同じく、塗装がコーキングの劣化を抑える役目にもなりますので、塗装前にコーキングしておくことをオススメします。
コーキングの上に塗装を乗せる際に注意して欲しいことがあります。
コーキング自体が、完全に乾ききる前に、上から塗装してしまうと、塗装のひび割れが起きてしまいます。
コーキングの乾燥期間はしっかりと取ることをオススメします。
コーキングは乾く際に多少の伸縮をするため、塗装のひび割れの原因に繋がりますので、気をつけましょう。
重ね張りでサイディングはNG?

重ね張りする材料にサイディングは使えないという情報を目にしますが、完全に間違いです。
サイディングの施工にきちんと外壁カバー工法という工法があります。
古く劣化してしまった外壁を直すのではなく、新たな外壁で覆ってしまう工法です。
外壁カバー工法では、「窯業系サイディング」「金属系サイディング」が使用されます。
サイディングはひびが入ると交換?
サイディングは工場加工の二次製品だから、ひびなどが入ると、交換しないといけない。。。
といった情報は誤りです。
ひびの補修をして、補修隠しの塗装をすれば問題なく外壁として機能します。
サイディングには模様、柄の種類が施されている種類も豊富にあります。
ひびが入った箇所で、その模様、柄を完全に再現することが難しいこともあるため、ひびが入ると交換しなければならないといった誤情報が出たのだと考えられます。
補修で模様、柄を再現することも可能ですし、色を合わせることも可能です。
まとめ

外壁塗装という大きなお金を使う時は、なおさら間違った情報で、もったいないリフォームにならないように気をつけてください。
サイディングのメンテナンス・補修方法とその費用を紹介しました。
また、サイディングの種類について、サイディングの外壁塗装の注意点、またサイディングの間違った情報について解説しました。
ネットで簡単に調べられる時代ですが、ネットは教科書や参考書ではありません。
間違った情報もたくさんありますので、注意しましょう。
サイディングが理解できましたら、次は外壁塗装前に知っておきたいトラブル事例も確認しましょう。
⇒ 外壁塗装工事の8つのトラブル事例と解決法。隣家には注意